トップページ > 佐久島アートトップへ > 松岡徹展「佐久島のお庭 ー夏雲奇峰の巻ー」リポート パート2
佐久島アート
祭りとアートに出会う島

50年ぶりに祭り舟が復活!

かつて勇壮さを誇った佐久島の祭り舟が、アーティスト・松岡徹と島民の協力により、50年ぶりに新しい姿になってよみがえりました。ワークショップは聞き取り調査を含めて2回に分けて実施し、参加者はのべ30人。ボランティアのみなさんによる制作作業のお手伝い、佐久島出身で県外在住の方からの貴重な情報提供など、多くの方々にご協力いただきました。


●第1回 6月23日(土) 14:00~16:00 会場:弁天サロン


松岡 徹

長老たち

昔の祭りを記憶している島民たちから当時の様子を聞き取り、今回どんな祭り舟を作るかアイデアを出し合いました。懐かしい思い出話に花が咲きました。また、ホームページを見た横浜在住の佐久島出身者が、昔の写真と当時の記憶に基づいたコメントを寄せてくださいました。それによると、飾りのモチーフは鯛、浦島太郎、侍や国定忠治などで、同じ人が制作にあたっていたことから、人物の顔はいつも同じで、かつらや服装を替えていたそうです。その他、松の木を舟に立てて人形を縛っていた、人形の身体はわらと竹でできていた、舟の大きさは4畳位だった、その祭り舟を若手30人ぐらいで、伊勢音頭の合いの手の時に引っ張っていたなど、いろいろなことがわかりました。今回は新しい祭り舟なのだから、アーティストのアイデアがいっぱいの、今風のものでいいいんじゃなかと、みんなの意見がまとまりました。


伊勢音頭のパフォーマンスも!

ワークショップの折、島民の高橋良明さんが、かつて祭り舟曵きのときに歌われたという「伊勢音頭」を昔の記憶を頼りに歌ってくれました。驚いたことに、その場にいた長老全員が声をそろえて合いの手を入れてくれたんです。う~ん、いい感じ! 祭りの本番が楽しみ!


説明風景

図面

●第2回 7月20日(金)~22日(日)
 10:30~16:00 会場:西公民館

<ボランティア参加者>
名古屋芸術大学の学生5名
愛知教育大学の学生2名、
名古屋市役所職員1名
豊田高専2名(研修生)
島民ボランティア

今回の祭り舟は、舟の上に竹の骨組みでオブジェを作って和紙を貼りめぐらせた、いわば「ねぶた」のようなイメージに決定。夜に練り歩くため、電飾も計画しました。モチーフは巨大なタコがメイン。佐久島ではおなじみのキャラクター「大和屋観音」(松岡徹作品)も登場することになりました。これは「山車の上に観音様をのせてはどうか」という、島のお年寄りの意見をによるもの。アートがすっかり島に根付いている感じです。



たこの枠組み


紙を貼る

島に滞在して制作

製作期間は3日間。松岡徹は学生5人とともに島に宿泊して制作に没頭。しかも島の夏は暑い!過酷な条件下で、みんな黙々とがんばってくれました。松岡徹の設計図は、数学の公式に基づいて計算されたもので、円の大きさなどが綿密に書き込まれていました。これを見ながら制作を進めていきましたが、竹の太さや強度によって、少しずつ歪みが生じてしまうというトラブルも。でも修正と微調整を丹念に行うことで、ほとんど球に近い完璧な形でタコの頭の骨組みができ上がりました。


独特の技法を駆使して、完成!

骨組みができたら、紙を貼ってカタチづくり。いたるところにアーティスト・松岡徹ならではのワザが! 形ができ上がると、クルマのバッテリーを利用した電飾の細工が施されて、ついに完成!

着色
舟にのった状態

そしていよいよ佐久島弁天祭りの日!「新・提灯行列&伊勢音頭と祭り舟引き」

【とき】8月15日(水) 
【ところ】大浦海水浴場~崇運寺

年輩の人にとっては懐かしく、子どもや若者は心ウキウキ。そんな祭り舟がついに復活! 祭りの当日、祭り舟は電飾をきらめかせながら、伊勢音頭に合わせてゆったりと、暮れなずむ道を西へと曵かれていきました。


祭りのシーン

灯りがともる
 

ワークショップで作った祭り舟の展示「松岡徹監修:祭り舟展」

【とき】7月24日(火)~8月15日(水)
【ところ】弁天サロン
6月と7月のワークショップで、松岡徹の監修によって作られた祭り舟は、ワークショップ終了後に弁天サロンへ移され、祭り当日まで展示されました。

 


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